簡易工作(2)
重心の低いコマのふしぎ
ヤジロベエ型のコマに模様をのせて回すと、模様がふしぎな変化をします。 また、マクスウェル型のコマの軸に迷路を当てると、軸が迷路をなぞって進み、抜け出します。このこまを作ってみましょう。 なぜ? どんなしくみでヤジロベエ型のコマはゆっくり回しても倒れないのだろう? また、回すと模様が変わるのだろう? どんなしくみでマクスウェル型のコマは迷路を抜け出せるのだろう? |
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工作 材料 コマの台 :板(70×70×1.3cm)、丸棒(8mmφ) コマ :植木鉢用プラ皿(上12cmー底8cmφ)、軸(3mmφ竹棒) クッション材(ウレタン製、粘着剤付き、径13mm) 模様の紙 :模様と無地の円形を印刷したもの 針金 :1mmφ 迷路 :プラスチック製(加工済) 1.台を作る コマを乗せて回す台を作ります。丸棒の凹みのあるほうを上にして、四角い板の穴に差 し込みます。 2.コマを作る (1)ヤジロベエ型のコマ ①ヤジロベエ型のコマを作ります。 お皿の裏の中心にクッション材を貼り、皿ごと穴(3mm)をあけます。クッション材の穴に 竹棒のとがった方を通し、お皿から2ミリくらい出します。 ②台にのせて、ゆっくり回しても倒れないか、たしかめてみよう。 ③この性質を利用して、模様を回した時の変化を見てみよう。 ・ 回すと、どんな形や色になるかを考えてみよう。 ・ 紙から模様を切り抜いて、コマにのせて回してみよう。思ったようになったかな? ・ また、白地のものに自分で模様を描いて、回してみよう。 注意! 「錯視のもの」は長くじっと見つづけないようにしよう。 模様を回してみる
②コマの軸がお皿の底の面と直角になるようにして軸のブレを直し、クッション材をしっ |
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しくみ コマ ヤジロベエ型のコマは重心がコマの軸より下にあり、倒れないコマです。ゆっくり回すことができます。 マクスウェル型のコマはコマの重心が支点になっているので、重力のモーメントが働かず、首振り(歳差運動)をしません。軸が物に触れて、転がりながら摩擦で動くとき、ジャイロ効果によって触れている物を押すため、形をなぞりながら進みます。 迷路 右(左)手法は右(左)手で迷路の右(左)側の壁に触れながら進んで脱出する方法です。 ジャイロ効果 迷路 参考 マクスウェルのコマと迷路については作品「迷路を抜け出すコマ」を参照してください。 |
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こぼれ話
・・・ストロボ効果・・・ 映画やテレビで、走っている車のホイールがゆっくりと逆に回って見えることがあります。ストロボスコープでは点滅光で回転しているものの表面状態を止まっているように見たり、回転速度をはかることができます。このように撮影速度(コマ/秒)や光源の点滅間隔と回転するものや反復運動するものと速度が同調(同期)すると止まって見え、少しずれているとゆっくり動いているように見えます。 交流で点灯する蛍光灯は50Hzで毎秒100回(60Hzで120回)点滅しているので、コマの回転速度によってストロボパターンの一部が止まったり、ゆっくり動いて見えます。 白熱電球も点滅しているのですが残光によって、またLED照明は通常は直流で、点滅しない(安価てチラつくもの以外)ためストロボ効果は見られません。蛍光灯もインバータ付ですと高周波数に変換しているため、点滅が数万回になり、チラツキが少なく、ストロボ効果も示しません。 公民館、小学校などの工作教室では心配しましたが、まだよく見えるタイプでした。 LEDで点滅速度を可変として、いろいろな絵の変化を楽しむおもちゃがあり、きれいなのですが、チカチカして目への負担が大きそうです。 ・・・コマ用迷路を作る・・・ コマの軸が迷路をなぞるには、軸が通るように迷路を浮かす必要があります。紙の上に描くのと違い、迷路の壁が半島のように長く伸びていたり、島のように分離していると、上から吊るか、しっかりした隣りの壁とU字状につないで支える必要があります。半島や島にならないような迷路にすればいいのですが、変化に乏しくなってしまいます。 また材料はある程度の強さと硬さも必要で、この簡易工作では格子状の目を持つプラスチックのかごを利用し、迷路に合わせて不要な格子部分をカットして作りました。 合板を糸鋸で切り抜く方法は壁が薄いので加工が難しいです。 「迷路を抜け出すコマ」の迷路はステンレスの針金をハンダ付けして作っています。 いずれにしても、手づくりでは結構手間がかかるので、3Dプリンタで安価にできるといいですね。 |