小人さんの紐つくり(組紐)
ハンドルを回すと、7人の小人が白雪姫のために糸を組んで、紐を作ります。 なぜ? どんなしくみで糸から紐ができるのだろう? |
|
|
|
しくみ 工業用の組機の機構で糸を組み、紐を作っています。 小人(組錘に相当し、ボビンに糸が巻かれています)が順々に8の字型に進んで、糸を交錯させ(組む)、組紐を作ります。 ボビンの糸の色を変えたり、小人への配置の順序を変えると組紐の柄が変わります。 できた組紐は送りローラで引き出しています。 各糸はボビンの摩擦抵抗で張力を与え、人形の腕の動きでたるみを取っています。 糸張力には限度があるので、紐の組ぐあいはゆるめになります。 小人達がぶつからないように順々に8の字に進む機構は実に巧妙です。 詳しくは古い本ですが下記を参照してください。 参考 ・米田:「編組工学」 技報堂 (1953) ・「編組・縫製」 実教出版(1982) |
|
こぼれ話 童話「白雪姫」を読んでいたら、嫉妬した王妃が物売りに化けて、白雪姫を胸紐で締め上げ、次いで毒櫛で刺し、最後は毒りんごを食べさせて眠らせてしまいます。 そこで、白雪姫も安心な飾り紐を7人の小人に作らせてみました。 「遊び具」を作るとき、まず子供達が興味を持ってもらえるよう、おもちゃ風で、楽しいものにと思うのですが、もともと技術屋で、デザインが苦手なこともあり、苦労します。 時折、作品をおもちゃ関連のコンテストに応募するのですが、応募者の多くはデザイン系の人のようで、洗練されたデザインにはただただ感心しています。 この「小人さんの紐つくり」も小人たちや立ち木、そして全体の構成など、もう少しすっきりしたデザインにならないかと思うのですが、どうしても技術的な面白さの方に力が入ってしまいます。 科学性のあるおもちゃという点ではいいのですが、美的な面では、「木」のやさしさ、素朴さが補ってくれて、救われている気がします。 |